こんな指導者の姿で、部員に寄り添おう!
昨年の大震災や津波で悲しみに襲われた地域でいち早く避難所などでみんなを元気づけたのは
被災した子供達であったことは衆知のことです。一般の家庭や親子関係でもそうでしょう!
以下の話は昨年、京都の路上で起きた小さな小さな出来事です。
京都の中心地に位置するある高校の正門に面した歩道を赤ちゃんの乗った乳母車を押すお母さん
、乳母車の左右には長女と次女。乳母車の右側の次女はお母さんの押す乳母車にしっかりつかまっ
て危うげに歩いていたら、つまづいて転んでしまいました。そうしたら すぐ左側のお姉さんが
急いで回って来てその転んだ次女を抱き起こし、小石がついて痛いであろう次女の両手をパッパッ
と払ってあげました。そうして大丈夫だよと言うかのように黙って次女の片手をつなぎ、歌を歌っ
てあげたそうです。そしたら声を上げて泣いていた次女は泣き止み、自分も姉と一緒に手をつない
で歌いながら乳母車の前を歩き始めたのだそうです。そのお母さんはニッコリ微笑んで黙って
その子等の後ろを歩いて行ったそうです。
姉の優しさは、きっと自分がまだ次女くらいの幼かった日の同じような時、お母さんに同じように手を包んでもらい、ホラ!大丈夫だよ、ネッ!ママと手をつなごう!歌うたって帰ろうか!のような母からの優しさを受け継いだんでしょうね。
上の話は、サッカーグランドの<部員と指導者の関係>にも示唆的です。
母親<コーチ・監督>の豊かさ・愛情ある言葉かけ・優しい話しかけ・子供<部員>の目線での
接し方などがあれば、それはきちんと子供<部員>に記憶され定着し行動化されるということでしょう。。しかも、姉<サッカーの上手い子>は妹<サッカーの下手な子>に上手に接してあげら
れ、姉と手をつないでもらえる<上手い、下手に関係ない>繋がり・嬉しさ・喜びに妹<下手な子
>は前に歩きはじめるのです。<下手の子もまた練習しようと力をもらえる>ことのように考えら
れますよね。試合中のどなり声「なんで行かないんだヨ!」「なんで取られるんだヨ!」「戦う気
あんのかヨ!」 挙げ句の果て「交代させるゾ!」・・・・・・指導者なら少なからずありますよネ、そう言ったこと。
これでは、子供<部員>は死にますネ、確実です。 子供<部員>は希望ではなくなります。
<コーチ・監督の姿勢>が大きく影響するということでしょう。子供達には、ピッチに出て気持ち
良くサッカーが出来る環境を作ってあげることは私達の仕事ですよね。だって、
気持ちよくプレー
できなかったら、絶対に上手くならないから・・・・
子供<部員>は成長したいと思っているだろうし、上手くなりたいと願っているはずです。自分のまずさや勇気のなさや失敗続きは一番その子が分かっていて、落ち込んでいるはずです。
プレーのまずさは試合の中で容易く見つかります。その子がどんなプレー・技術につまづいて
いるのか指導者は把握しましょう。
その克服のため 1:どんな指導者であればいいのか
2:どんな練習をすればいいのか それを考え工夫してください。部員が成長するためには
「多くのきっかけ」「多くの仕組み」が必要です。例えば、「指導者の言葉」「動きの多い練習メニ
ュー」「多くの練習試合を組む=未成長な部員をドンドン出場させる」「全員に公平感を与える
出場時間の確保=意欲を引き出す」等々
ここ最近の日本サッカー協会の啓蒙活動で、少年サッカー指導者の子供観・指導技術は良い方向に向いているようですが、サッカー普及専門家から見ると「現状でも日本の少年サッカー団の半数は、
勝利至上主義に偏り、必然的に厳しく叱る指導をしている」と見ています。私達は何のためにサッカーのコーチをしているのでしょうか!問えばほとんどのみなさんがとても良い答えを反応するそうです。曰く、・子供の成長を見たいから・仲間の大切さ友情の煌めき・健康な心身
づくり等々。しかし、現状は上記の如く・・・。
本来スポーツとは「遊び」であるはずです。「弱い子、下手な子はそれなりに強く、上手くな
るために何か出来ればいいはず。強い子、上手い子はそれなりに弱い、下手な子等の気持ちが
わかるようになればいいはず」遊び=スポーツの意味はそこにあるのかも。「遊び」の中に両者は、うまく混在して居るんですよネ。遊ぶとき「弱い子」にハンディーをつけてあげ遊んでいる
。ところが最近の現状では、スポーツに弱い子は入れなくなる面が多くなっている。即ち、勝利したいがために試合に出場出来なく、コーチ達にはじき飛ばされている。FC夏島でもこのようなことはありませんか? 現況のサッカーに限らず日本のスポーツ指導は、少年団の頃から「強い
子のためのスポーツ」になっている傾向があるのが現実のようです。弱い子が中学や高校で変身するかもいれないのにネ!もうそろそろ、子供を希望ととらえないサッカー指導にはサヨナラ!を告げる時と私達FC夏島の指導者は共通理解をしませんか?代表としては是非お願いしたい。「トゲトゲしい言葉」より「子供に寄り添うやわらかな言葉」を。「欠点の指摘」より「小さな
前進を見逃さない、見つけてあげるような立つ位置」を。「なぜ出来ないの?」より「出来ないのはなぜだろうネ?」という風な問いかけ方声掛けを。「何やってんだよう!」と怒鳴るより
「君はこいう所がイイネ!」とか「君の長所はこいう所だね!」とか・・。褒めてから考えさせる指導方法もいいんじゃないだろうか。そして、子供達がプレーがうまく行かなかったら、ちょっ
と手を貸してあげて下さい。。例えばヒントを与えたり、新しい提案をしてみたり」・・・。
(4)子供を責めるのではなく、子供に寄り添う姿勢で子供を安心させるそれを贈る指導への転換!
このようなことを念頭に置きながら指導して行くのはどうでしょうか?これが昔の指導呪縛から
脱出する途のようと代表は考えます。FC夏島の指導者の姿勢は、基本的にこのような考えで
スポーツ・サッカー・部員への接し方を不断に追求し、お互いチェックし合いながら長い目で
部員の成長を見守り、プレーすることが楽しいと思われる練習メニューの構成を考え、試合に於いては「プレー選択の判断は、部員に完全に任せる」かなり我慢が要求される姿勢を持続し、
サッカー以外では年間行事を全指導者の分担協力態勢で計画的に行い、また日常生活や学校生活に求められる基本的な生活習慣へ繋がる態度にも目を配りながら接していきましょう。
(引用:池上正 嶋崎優子著「オトナのおきて10」)
FC夏島 代表 前田文昭